ある時、アラン・デュカス・グループのソムリエが畑にやってきて言った。「ラルム・デュ・ペールの一区画が特に良い」と。アランはそのソムリエと相談し、新たなワインを造った。それがサン・ジョゼフ「420ニュイ」だった。それから数年後、日本人がやってきた。その女性はこう言った。「この420ニュイの畑の中で、特にこのモミの木の植わる周辺の区画が特に良い」と。このあたりにだけ、清涼感のある空気が、野生味をともなって漂い、また土壌にオーラも宿っていると。アランとその日本人は、新たなワインを造りだそうと考えた。フランス文化を代表するような、そんなスケールの大きいワインにしたい。そして出来たのがこのワイン、サン・ジョゼフ「730ニュイ」だ。